
         1.豆電球による論理回路 | 
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| 1.1 | 乾電池(かんでんち)と豆電球(まめでんきゅう) | 
| 1.2 | 回路図(かいろず)で使う記号(きごう) | 
| 1.3 | AND(アンド)回路 | 
| 1.4 | OR(オア)回路 | 
| 1.5 | NOT(ノット)回路 | 
| 1.6 | つなぎ方の工夫 | 
| 1.7 | つなぎ方(結線)パターンの素子化 | 
| 1.8 | NOTのつなぎ方で? | 
      


| 
             A  | 
            
             B  | 
            
             C  | 
          
| 
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
          
| 
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
          
      それでは、次のような回路ではどうでしょう。
      
      スイッチA、Bが並列につながっています。
      
            
      
           図1-4 OR回路(スイッチの並列)
      
      
      この回路では、AとBのどちらかのスイッチがオンであれば、
      
      豆電球Cは点灯します。
      
      
      両方ともオフだったら、豆電球は点灯しません。
      
      このことを、言葉で言えば、
      
      
        「AまたはB(A or B)がオンならばCが点灯する」
      
      
      ということができます。
      
      ですから、この回路を「OR回路」と呼びます。
      
      
      AND回路と同じように、スイッチがオフの状態を0、オンの状態を1、
      
      豆電球が点灯していない状態を0、
      
      点灯している状態を1として、真理値表にしてみましょう。
      
      
                     表1-2
      ORの真理値表
| 
             A  | 
            
             B  | 
            
             C  | 
          
| 
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
          
| 
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
          
      
      次は、スイッチを1個だけ使います。次の回路を考えます。
      
                  
      
               図1-5 NOT回路(結果の豆電球と並列)
      
      
      この回路では、Aがオフであれば豆電球が点灯します。
      
      
      オンだったらどうでしょう。
      
      豆電球には抵抗がありますから、
      
      Aをオンにすると豆電球の方には電流が流れません。
      
      すなわち点灯しません。
      
      
      ですから、
      
         「Aがオンでなければ(not A)Cが点灯する」
      
      ということができます。
      
      ですから、この回路を「NOT回路」と呼びます。
      
      
      NOT回路も真理値表で表現しましょう。
      
      
                     表1-3
      NOTの真理値表
| 
             A  | 
            
             C  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
          
      
      
      
      
      今までの3つの回路で、スイッチのオン、オフ(1または0)が入力、
      
      豆電球が点灯する(1)か、しない(0)かを、出力として考えると、
      
      3つの回路でAND、OR、NOT回路が実現できたことになります。
      
      
      色々な論理演算は、最終的にはAND、OR、NOTで表現できますので、
      
      これらの回路を使って、論理演算を表現できることになります。
      
      これらのつなぎ方(結線)を工夫して、
      
      色々な演算回路を作っていくわけです。
      
      
      しかし、つなぎ方をその都度考えるのは大変です。
      
      そこで、つなぎ方だけを、ひとつにまとめてしまうことにします。
      
              
      
                (a) AND回路
      
      
              
      
                 (b) OR回路
      
      
      
              
      
                 (c) NOT回路
      
            (ハッチング部分がつなぎ方のパターンです)
      
              図1-6 つなぎ方だけをまとめる
      
      
      図1-6の回路は、これまで出てきた
      
           AND回路、OR回路、NOT回路
      
      と、つなぎ方が同じです。
      
      このことを線のつなぎ方で確認しておきましょう。
      
      
      ![]()
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      色々な論理回路を作る際、つなぎ方をバラバラに考えるのは大変です。
      
      そこで、図1-6のパターンは、既に分かっているものとします。
      
      色々な演算を回路で表現してみましょう。
      
      @ X = C or ( A and B )
             
      
                 図1-7 C or (A
      and B)
      回路
      
                表1-4 C or (A and
      B)の真理値表
| 
             A  | 
            
             B  | 
            
             C  | 
            
             A and B  | 
            
             C or (A and B)  | 
          
| 
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
          
| 
             0  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
          
| 
             1  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
          
| 
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
          
      
      A X = not ( A or B )
      
      この回路は、ORをNOTしたもので「NOR回路」と呼ばれます。
      
      同じように、ANDをNOTしたものは「NAND回路」と呼ばれます。
      
      
             
      
                図1-8 not(A or B) 回路
      
      
            表1-5 not(A or B)回路の真理値表
| 
             A  | 
            
             B  | 
            
             A or B  | 
            
             not (A or B)  | 
          
| 
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
          
| 
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
          
      
      図1-8を参考にしてNAND回路と真理値を作ってみましょう。
      
      (ヒント:ORの部分をANDで入れかれるだけ)。
      
      
      ![]()
![]()
      図1-6を観察してみましょう。ANDやORの出力に対して、
      
      NOTのつなぎ方が少しだけ違っています。
      
      
      実は、これが曲者でした。
      
      
      例えば、X = not (not A)のつもりの下の回路を見てみましょう。
      
      一見、正しそうに見えますが・・・。
      
           
      
          図1-9 結線の論理回路で正しくない例(その1)
      
      
      NOTは反転ですから、反転して反転ならば元に戻るはず。
      
      表1-6が正しい結果です。
      
      
      ですから、スイッチAを入れると、豆電球がつくはずなのに?
      
      
      表1-6 not(not A)の真理値表
| 
             A  | 
            
             not A  | 
            
             X = not(not A) = A  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
          
| 
             1  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
          
      
      これは、ANDとORの線の出し方と、
      
      NOTの線の出し方が違っているためです。
      
      
      実は、NOTが出力直前、すなわち乾電池と豆電球のすぐそばにないと、
      
      正しい結果を出さないことがあります。
      
      
      たとえば,次の例はうまくいきます。
      
      
      真理値表の値と豆電球がつくかつかないを比較して、確認しましょう。
      
      
      うまくいったり、うまくいかなかったり。困りましたね。
      
      X = (not A) and (not B )
      
      
      
      図1-10 結線の論理回路で正しい例
      
      表1-5 (not A) and (not B)回路の真理値表
| 
             A  | 
            
             B  | 
            
             not A  | 
            
             not B  | 
            
             (not A)   | 
            |
| 
             0  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
             NOR回路と 同じであることに 注意しよう  | 
          
| 
             0  | 
            
             1  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
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             1  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            |
| 
             1  | 
            
             1  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
             0  | 
            
しかし、ANDのところをORにしたら、とたんにうまくいきません。
      
      
      これは、宿題として出しておきますので、
      
      皆さんで確かめてみて下さい。
      
      
      線のつなぎ方だけでNOTにするには、
      
      スイッチと豆電球を並列に置くしかありません。
      
      
      一方,ANDとORをつなぎ方は,豆電球と直列です。
      
      ここが違っているわけです。
      
      
      そこで、スイッチによる回路。次の章で、説明しましょう。
      
      
      ![]()
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      第1編 コンピュータの原理
      
      
1. コンピュータは計算機
      
      
2.コンピュータに必要な機能
      
      第2編 論理回路の話
      
      
1.豆電球による論理回路
      
      
2.スイッチによる論理回路
      
      
3.論理回路図の単純化
      
      第3編 コンピュータの回路 
      
      
1.加算回路と減算回路
      
      
2.記憶回路
      
      
3.順序回路
      
 
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