1.コンピュータは計算機



1.コンピュータは計算機
  
(こんぴゅーた は けいさんき)


1.1 コンピュータはやっぱり計算機
1.2 数を数えるということ
1.3 なぜ2進法か?
1.4 でもやっぱり2進法は長ったらしい



1.1 ンピュータはやっぱり計算機



コンピュータは、いろいろなところで使われています。

パソコンゲームで遊んでみたり、

ワープロソフトを使って文書を作ったり・・・。

電子レンジやテレビなどにも入っています。


ですから、コンピュータは「何でも屋」みたいな存在になっています。


 しかし、コンピュータが開発されたのは、

ミサイルの動き方を計算するために使うのが目的でした。

ところが、いろいろな分野に使いはじめたら、

いろいろな所に使うことができてしまったのです。


 たぶん、現在のコンピュータの発案者である

フォンノイマンという数学者も、このことを予想していなかったでしょう。


 単純な計算なら電卓のように、数字を叩いてすぐに結果がでます。

しかし、複雑な計算をやるには、色々な計算を何回かに分けてやります。

すなわち「
計算の手順」があります。


 フォンノイマンは、この手順を自動化することを思いつきました。

「手順」すなわち「
プログラム」を最初に読み込んで、

その手順にしたがって、計算を自動的にやるしくみを考えたのです。



 ところが手順を自動的にやるしくみ、

これは数値計算だけに必要なことではありませんでした。

色々な場面でコンピュータを使い出してみたら・・・。


 この自動的なしくみが、

色々なことの自動化に役立つことが分かってきたのです。


ですから、コンピュータは、いろいろと使えます。

汎用の自動処理機」とでも言えます。


 しかし、元々「計算のための道具」です。

はじめての人にとって、

コンピュータとは何だということを理解するには、

コンピュータは計算機であることから

出発するほうがわかりやすいでしょう。


1.2    数を数えるということ



 計算の第1歩は、数を数えるということです。

私たちは、物覚えついた頃、指を折って、数を数えていました。

 

 

 

 

指折り数えて10まで。指折りだけでは、10までしか考えられません。

それじゃ、足の指? 別のことを考えなければいけません。


人間の指が10本だから,10で桁上がりする数の数え方

(「
10進法(じゅっしんほう)」といいます)をしているのだ

という説があります。

もし、この説が本当だとしたら、

人間の片手の指が4本しかなかったとしたら、両手で8本。

きっと、8で桁上がりする数の数え方

(「
8進法(はちしんほう)」といいます)をしていたかもしれません。

指が1本しかないとしたら?

こんなときは「指」という言葉がないかもしれませんが・・・。

両手で2本。2で桁上がりする数の数え方(「
2進数(にしんほう)」

と呼びます)かもしれませんね。



1.3     なぜ2進法か?



10進法の1桁の計算では、10×10通りの組み合わせで計算をします。

ただし,みなさんは指折り数えるのではなく、

1-1を覚えていて計算をしている人がほとんどでしょう。



1-1 10進数1桁の加算(乗算も同じく10×10とおり)
(ハッチング部分は、桁上がりする部分)

 

10

10

11

10

11

12

10

11

12

13

10

11

12

13

14

10

11

12

13

14

15

10

11

12

13

14

15

16

10

11

12

13

14

15

16

17

10

11

12

13

14

15

16

17

18


1-2 2進数1桁の加算

(ハッチング部分は、桁上がりする部分)

    

 

10(=10進数の2)

10進数での計算は、覚えるのが大変ですね。

それに比べると2進数で覚えるのは4通りです。

ですから、足し算や減算等の回路が非常に簡単になります。



1.4    でもやっぱり2進法は長ったらしい



 回路を作りやすいとはいっても、2進数で書くと非常に長ったらしくなります。

例えば、10進数3桁の254を10進数で書くと、

      1111 1110

と8桁になってしまいます(2進数での1桁を
1ビットと呼びます)。


そこで、2進数として区切りやすい3桁や4桁毎に分けて記号化します。

一般には、4桁に分けます。


 4桁の場合は、2=16個の記号になりますので、16で桁上がりします。

これを
16進数と呼びます。


 数字を表すには、0から9までは10進数の記号と同じ記号を使います。

10〜15を1桁で表現したいので、記号としては、

アルファベットのA〜Fを使う約束にしています。

 表1−3に10進数と2進数、16進数の対応表を示します。


1-3 16進数の記号

10進数

2進数

16進数

0  

0000

1  

0001

2  

0010

3  

0011

4  

0100

5  

0101

6  

0110

7  

0111

8  

1000

9  

1001

10  

1010

11  

1011

12  

1100

13  

1101

14  

1110

15  

1111

 



第1編 コンピュータの原理

1. コンピュータは計算機

2.コンピュータに必要な機能

第2編 論理回路の話

1.豆電球による論理回路

2.スイッチによる論理回路

3.論理回路図の単純化

第3編 コンピュータの回路

1.加算回路と減算回路

2.記憶回路

3.順序回路


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